続・映画の王様

映画ライターのブログ

『アリータ:バトル・エンジェル』

ユージン・ターナー


 日本のSFコミック「銃夢」(木城ゆきと)を、製作ジェームズ・キャメロン、監督ロバート・ロドリゲスが実写映画化。キャメロンに原作を紹介したのは『シェイプ・オブ・ウォーター』(17)のギレルモ・デル・トロだという。

 大戦後の未来は、天空に浮かぶユートピア都市ザレムと、荒廃した地上のアイアンシティに分断されていた。アイアンシティに暮らす医師のイド(クリストファー・ヴァルツ)は、ある日クズ鉄の山から少女の頭部を発見する。彼女は300年前に作られた最強兵器=サイボーグだった。ドクは彼女をアリータ(ローサ・サラザール)と名付け、娘のように接するが…。遠い未来の世界を舞台に、記憶を失ったサイボーグ少女の成長と恋、そして闘いを描く。テーマはアイデンティティの模索と、父と娘といったところか。

 キャメロンが『アバター』(09)で扉を開けた3D映像が格段に進歩し、もはや違和感を抱かせない。加えて、キャメロンが自身の娘を重ね合わせて創造したというアリータをはじめ、登場人物の描写がきちんと描かれているので、映像やアクションだけが際立つという失敗も犯していない。アリータを見ていると、何だかこちらも父親のような気分になってくる。

 一時は乱発された3D映画も、最近は下火になった感があったが、キャメロンがまた新たな可能性を示したと言えるのかもしれない。その意味では、まさにキャメロン印の映画。その分、監督ロドリゲスが果たした役割があまり見えてこないところがある。