続・映画の王様

映画ライターのブログ

『ラスト・クリスマス』

ユージン・ターナー

 歌手になる夢がかなわず、荒れた生活を送りながらクリスマスショップで働くケイト(エミリア・クラーク)の前に、好青年のトム(ヘンリー・ゴールディング)が現れる。ケイトはトムに心引かれるが、彼にはある秘密があった。

 同名タイトル曲のほか、ワム!、ジョージ・マイケルの数々の曲に乗って展開するほろ苦く切ないクリスマスストーリー。脚本とケイトの母親役にエマ・トンプソン、クリスマスショップのオーナーにミッシェル・ヨー。監督はポール・フェイグ

 クリスマスの奇跡話の中に、移民、ホームレス、LGBTなどの問題を盛り込んでいるところがイギリス風で、クラークが段々とかわいらしく見えてくるのがミソ。トンプソンが癖の強い、言葉に訛りがある東欧移民に扮して“メリル・ストリープ化”していた。

 ワム!の「ラスト・クリスマス」(84)は、藤子・F・不二雄原作、森田芳光監督の『未来の想い出』(92)でも使われた名曲だが、バブルの頃に街中に流れていた印象が強いので、恩恵にあずかれなかった身としては、聴くと複雑な思いがする。