続・映画の王様

映画ライターのブログです

『シネマと銃口と怪人―映画が駆けぬけた二十世紀』(内藤誠)

ユージン・ターナー

『昭和映画史ノート』に続いて再読。最初に読んだ時のノートを。

 山田五十鈴が樋口一葉に扮した戦前の東宝映画から明治時代を考察する、第1章「「一葉の時代」の画像。」
 監督フリッツ・ラングと俳優ピーター・ローレの数奇な運命とファシズムをめぐる、第2章「『M』の時代。」
 セッシュー・ハヤカワの栄光と挫折、第3章「戦時下、パリの早川雪洲。」
 産児制限運動者と芥川龍之介の小説をからめた、第4章「サンガー夫人と芥川の『河童』。」
 ロベルト・ロッセリーニ作品と吉田満の著書『戦艦大和ノ最期』を軸に、国策映画について考察した、第5章「『白い船』と『戦艦大和』。」
 ルキノ・ビスコンティとナチズムを交錯させた、第6章「ファシズムの美学と『地獄に堕ちた勇者ども』」、というラインアップ。

 まさに映画を中心とした幅広い雑学を縦横無尽に語っている。『昭和映画史ノート』もそうだが、難しいことをすらすらと読ませる文章のうまさ、あるいは幅広い書物からの引用文の巧みな配置に唸らされる。巻末の解説を書いた某氏の、妙にひねって分かりづらい文章と比べても文才の差は一目瞭然。こういうものが書ける自分でありたいと思う。 (2005.1.13.)

『昭和映画史ノート 娯楽映画と戦争の影』(内藤誠)
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