『本気のしるし≪劇場版≫』

深田晃司監督が、星里もちるのコミックをドラマ化したものに、未公開シーンを加えて再編集し、劇場版として公開。今年のカンヌ国際映画祭のオフィシャルセレクション「カンヌレーベル」に選出された。全編232分(3時間52分)。
会社員の辻一路(森崎ウィン)は、ある夜、踏み切りで車が立ち往生していた葉山浮世(土村芳)の命を救う。その後、辻は浮世と関わったばかりに次々とトラブルに巻き込まれていくが、なぜか彼女を放っておけない。そして、いつしか破滅への道を歩み始める。
最初は、とにかく浮世の言動にイライラさせられ、「この女は何なんだ!」という怒りすら覚え、おいおい、これを4時間近くも見せられるのか…と、早くもくじけそうになった。
ところが、浮世の行動にイラつき、翻弄され続けながらも、何故か彼女を見捨てられず、泥沼にはまっていく辻の姿を見ているうちに、一体これからどうなるのかという好奇心が湧いてくる。その意味では、2人の関係に興味を示す、北村有起哉が演じた闇金業者の脇田が観客の代弁者だとも言えるだろう。
そして、途中から、これは、どうしようもない男と女のラブストーリーであり、シュールなコメディーなのだと気付くと、何だか愛着すら湧いてきて、いつの間にか時間を忘れて見入り、気が付けば4時間近くも付き合わされていた。これは、見事に深田監督の術中にはまったと言うべきか。とにかく森崎と土村が素晴らしい。こういう映画を認めたカンヌ映画祭をちょっと見直した。
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