続・映画の王様

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『男はつらいよ 寅次郎の青春』

ユージン・ターナー
『男はつらいよ 寅次郎の青春』(92)(1993.1.30.丸の内松竹 併映は『釣りバカ日誌5』)
 
 
 もはや渥美清は、寅さんと心中してしまうつもりなのだろうか。だとすれば、あれだけの名優にしては何とももったいない話だ。今回もゴクミの4連投であり、結局“満男の青春”で寅は動かない。否、もう動けないということか。
 
 例えば、パトリス・ルコントの『髪結いの亭主』(90)を意識したような、風吹ジュンとの床屋での長回しのシーンは、本来ならちょっと色っぽいシーンになるはずなのに、渥美清のあまりの老けぶりが露になってかえって切なくなった。
 
 ひよっとして山田洋次は、半ば意図的に、レギュラー陣の老けぶりと満男の成長を対照的に見せながら、諦めの悪い観客に「もうよしなよ」と言わせたいのかもしれない。そんな気もする、ここのところの4作である。
 
 そして、今回で満男の恋にも一区切りをつけてしまったからには、もはや隠し球は残っていない。となると、テレビ版のように、寅の存在自体を消すしかないのだろうか…。