ジェームズ・カーンの映画 その6『ディック・トレイシー』
『ディック・トレイシー』(90)(1992.7.13.)スパッズ・スパルドーニ役

チェスター・グールドの人気コミックを実写映画化。1930年代のアメリカのとある犯罪都市で、日夜悪と戦う神出鬼没の刑事ディック・トレイシーの活躍を描く。
これまた『バグジー』(91)同様に、ウォーレン・ベイティの一人舞台映画だが、どちらかといえば、こちらの方に好感が持てた。何だか大の大人が寄り集まって、自分たちが子どもの頃から親しんできた漫画のキャラクターに成り切って遊んでいるような、無邪気さが感じられたからである。
しかも、ビットリオ・ストラーロによる、いかにも人工的な、それでいて魅力的な、わざと原色をちりばめた絵柄もなかなか面白かった。『ロジャー・ラビット』(88)という先駆はあるものの、映画でなければ表現できない夢の世界を目の前に示してくれた気がした。
こういうのが、とても日本ではまねができない、金の掛かったぜいたくなお遊びというやつで、ハリウッド映画の存在価値を嫌でも知らされることになる。ベイティのことはあまり好きではないのだが、見事な商売人であることだけは、素直に認めねばなるまい。
しかも、今回は『俺たちに明日はない』(67)で共演し、今は忘れられたエステル・パーソンズとマイケル・J・ボラードを引っ張り出してきたものだから、意外と人情家なのかも…などと思わされてしまった。





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