「BSシネマ」『バラ色の選択』
『バラ色の選択』(93)(1994.1.19.日比谷映画)


ニューヨークの一流ホテルで働くダグ(マイケル・J・フォックス)の夢は、自分のホテルを持つこと。夢をかなえるためスポンサーを探していたダグは、ある大富豪(アンソニー・ヒギンズ)から愛人との密会を取り持てば、出資を考えてもいいと言われる。ダグはチャンスとばかりにスイートルームを提供するが、愛人として現れたのは、ダグがひそかに思いを寄せる女性(ガブリエル・アンウォー)だった…。
先に見たメル・ギブソンの『顔のない天使』(93)が「俳優から監督に」というはやりの一端だとするなら、この映画は、もう一つのはやりである「リメークとは名乗らないが、明らかなリメークもの」の一本だった。
特に、この映画の場合は、ビリー・ワイルダーの『アパートの鍵貸します』(60)からの戴きだったから、比べてはいけないとは思いつつも、その作りの甘さを突いてみたくなるという、意地悪な誘惑に勝てなかった。恐らく、この映画自体が傑作だったなら、こちらもそんな嫌な見方はしなくても済んだのだろうが…。
それにしても、マイケルは、テレビの「ファミリー・タイズ」『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズ以降は、あまりにも作品に恵まれなさ過ぎる気がする。彼の個性が生きたのは、せいぜい『ハード・ウェイ』(91)ぐらいなもので、後は、この映画のような、成功への道の途中で美女に出会って進路変更というパターンに終始しているし、相手の女優も魅力に欠け、脇役も生かせていないという始末。だから、この映画も『ドク・ハリウッド』(91)も、もっと面白くなるはずが、そうはいかないのだ。
何だか、この映画のマイケルはひどく疲れているように見えた。彼が憧れているというジェームズ・スチュワートやスペンサー・トレイシーが演じたような役柄と巡り合えるのはいつの日か。頑張れマイケル!
【今の一言】思えば、もうこの頃からマイケルはパーキンソン病に侵され始めていたのだなあ。
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