続・映画の王様

映画ライターのブログ

「BSシネマ」『おくりびと』

ユージン・ターナー

『おくりびと』(08)(2009.9.6.)

 人は病人や死人に触れることを嫌う。それは病や死に対する恐怖の裏返しなのか。この映画は、それを仕事とする納棺師という特異な職業に光を当てた点がユニークだ。滝田洋二郎がよくやる下品なギャグや極度なお涙ちょうだいの演出も適度に抑えられている。

 主演の本木雅弘も好演を見せるが、やはり山崎努がうまい。納棺師の仕事や葬式に関するハウトゥー映画的な要素に加えて、山崎が出たことで、『お葬式』(84)や『タンポポ』(85)といった、伊丹十三映画への滝田流の敬意が感じられた。

 山田辰夫、峰岸徹。最近亡くなった2人の姿が、作品のテーマとも相まって悲しく映った。