「BSシネマ」『暴力脱獄』
『暴力脱獄』(1984.12.17.月曜ロードショー)(2010.1.14.NHK BS)

酒に酔い、ささいな罪で刑務所に収監されたルーク。所長や看守たちは過酷な労働や体罰で囚人たちを支配しようとするが、ルークは決しておもねらず、やがて囚人たちから尊敬を集めていく。
道端で洗車する女に妄想を抱く。道路の舗装をスピーディーにする。卵を50個食べる。それだけで盛り上がる囚人たち。くだらない、くだらないけど面白い。そして切ない。
スチュアート・ローゼンバーグ監督は、後に所長側から刑務所を描いた佳作『ブルベイカー』(80)も撮っているが、やはり彼のベストはこの映画だろう。コンラッド・ホールの撮影、ラロ・シフリンの音楽もいい。
ポール・ニューマン演じる主人公の“クール・ハンド・ルーク”は、特に奇跡を起こすわけでもなく、刑務所内にちょっとした変化を起こすだけ。反体制、アウトローというよりも自分を持て余している男という感じだが、そこが等身大でいいのだ。
とはいえ、50個の卵を食べ終わって上半身裸で寝そべるルーク、教会での神への問いかけ、ラストの俯瞰で道が十字架になるところなどに、神を暗示する描写が結構あることに今回気づいた。
ストローザー・マーティン、J・D・キャノン、ラルフ・ウェイト、ルーク・アスキュー、チャールズ・タイナー、アンソニー・ザーブ、クリフトン・ジェームズら、当時の脇役が大集合しているのがうれしい。この映画でアカデミー賞を獲ったジョージ・ケネディを筆頭に、デニス・ホッパー ハリー・ディーン・スタントン、ジョー・ドン・ベイカーなどは出世組になるのかな。



「名優ポール・ニューマン特集 碧い瞳の反逆児」
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