『旅と日々』
『旅と日々』(2025.9.10.京橋テアトル試写室)

本作の主人公は脚本家の李(シム・ウンギョン)で、前半はつげ義春の漫画を原作に李が脚本を書いた映画の上映という形で、夏の海を舞台に、夏男(高田万作)と渚(河合優実)の出会いが描かれる。
後半は創作に行き詰まった李が、雪におおわれた山奥の村に旅をし、宿の主人・べん造(堤真一)との出会いをきっかけに人生と向き合っていく様子を描く。
三宅唱監督が脚本も手掛け、つげ義春の短編漫画「海辺の叙景」と「ほんやら洞のべんさん」を原作に撮り上げた本作は、神津島と山形の庄内地方でロケをし、約90分の中で夏と冬がいっぺんに見られるというユニークな構成が目を引き、三宅監督ならではの繊細なストーリーテリングと独特の空気感が不思議な雰囲気を醸し出す。
三宅監督は「つげさんの漫画を100パーセント映画にするのは難しいので、小津安二郎や成瀬巳喜男らのクラシック映画をヒントにした」と語る。それ故か、どこか懐かしい風情が漂うところが面白い。
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